アメリカで語学を学ぶこととアメリカで大学に行くことの違い

何年か前から、日本では「グローバル化」という言葉が定着しています。
グローバル化とはいったいどういう状態をいうのだろうかとふと考えました。

実際には、日々そこについては考えているのですが(苦笑)。

内閣府のホームページにはグローバル化について、「一般に、グローバル化とは、資本や労働力の国境を越えた移動が活発化するとともに、貿易を通じた商品・サービスの取引や、海外への投資が増大することによって世界における経済的な結びつきが深まることを意味する。」と記されています。

要するに、経済を中心にしたグローバル化というものが軸になっているのでしょう。
そこから派生して、「国境を超えるということは、世界の共通語である英語が必要」となっているのだと思います。

つい先日、娘に促されAbema TVの「留学」をテーマにした番組を観ました。
出演者は、2ちゃんねるの創設者・ひろゆきという人と、Exit、そして栄陽子留学研究所・栄陽子さんなど。
日本で語学を学ぶことと、アメリカで語学を学ぶことについて話していたのですが、途中でExitの一人が「留学は金持ちがやること」といったような発言をしていました。栄陽子さんは、「語学を学ぶのとアメリカの大学に行くのでは意味が違う」というようなことを話していらっしゃいました。

私も同感です。どちらも同感です。
英語を学ぶためだけに海外の大学に進むのならそれは裕福な家庭のお子さん向けという話になると思いますし、語学を学ぶためにアメリカに行くのとアメリカの大学で学ぶことはまるで違うとやはり思います。

アメリカの語学学校に行くには、安くても1年間で300万円がかかると言われています。そこには寮や食費なども入っています。300万円をかけることができるなら、日本にいてもかなりいい先生を雇って個人レッスンをするなどの方がもう少し安く英語をものにできるかもしれませんね。日本の大学の費用は、私立で入学金をいれて1年で100万円が平均と言われています。だとしたら3倍です。海外からのホームステイ先になるとか、そういったことでも英語に触れる機会を増やすことができ安上りですし、異文化を学ぶのにも適していると思います。

アメリカの大学で学ぶことを選ぶということは、英語が基本的に話せることが前提でのスタートです。そのためにTOEFLやIELTSのスコアが必要なのですね。もちろん、語学留学でもこれらのスコアの提示は必要になります。

ちなみに、アメリカの大学の場合はIELTSよりもTOEFLのスコアを求められることが多いようです。IELTSは、イギリスやオーストラリア、ニュージーランドなどなど。

日本でも最近少人数で意見を交わすことができるようなアクティブラーニングが導入されて来ていますが、まだ多くの学生に定着していとは言えないようにも見えます。アメリカの大学でももちろん大勢の生徒が一斉に講義を受ける授業もあるようですが。

私は、以前の教え子などから大学の英語の課題について聞かれることがあります。
内容を見ると結構面白い内容だったりするのですが、実際に学生にとってはまずその内容を翻訳する作業に追われ内容まではなかなかたどり着けていない様子です。もちろん個人差はありますが。

アメリカの大学に進学する場合、説明書きから何からすべてが英語で書かれていて、あなたがもしも語学留学でなければネイティブスピーカーとともに同じレベルの授業を受けなければならないということも想像しておく必要があるでしょう。ですから、日本の学校での授業に英語の授業が日々プラスされるのがアメリカの大学での授業になるわけです。たとえば哲学なんて本当に大変です。日本語でも大変なのにね。

こんな感じです。

「『ミッシェルフーコ』の『知と権力の関係』について文献を読み考えてきなさい。」

それが1つではないのも大変なことですよね。
私の娘は、日々キャンパス内の図書館などで日によっては徹夜で(学校によっては図書館は24時間空いているようですよ)課題をこなしていたようです。

ある年に、中学生の時に自治体のプログラムに参加しオーストラリアに行った子がいました。
彼は、日本に戻って最初に話した時「誰もかれもが『君はどう思うの?』って聞くんです。これは大変でした。」と話していました。

海外の大学を目指すなら、やはり自分の考えを伝えられる練習を少しずつ始めるのも大切だと思います。
日本がグローバル化を目指すなら、まずは自分の意見を話すことができるような社会や教育を進めることが先決だと私は思います。

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