インタビュー:ユウコ・ナイト

今回は、アメリカ・カリフォルニア州サンタクルーズで日本の高校生の留学を手伝うユウコ・ナイトさんにお話を聞きました。高校生で留学する若者の現実が垣間見えるインタビューになりましたよ!高校から親元を離れ自分の力で生活をする若者が結構いるんですね。大学留学以外の道について、ユウコさんからの重要なアドバイスもあるので読んでみてくださいね。

ちなみに、今回のインタビューは私、Aki Tanjiが行っているので、日本語のみです。

 

アキ:ユウコさん、久しぶり!元気ですか?そちらの新型コロナウイルスの感染状況はどうですか?

ユウコ:こちらはワクチンも進んでいるので、かなり陽性者は減りましたよ。日本は今大変そうですね。

アキ:やはり多くの人がワクチンを受けたということですか?

ユウコ:そうですね、まだ新しいワクチンなので受けない人も多いけれど、実際にワクチン接種が進んだことで感染者がそれに比例して減少しているのも確かですね。私も夫のDaveも感染リスクが高いので受けました。家族で受けましたよ。具合が悪くなったのは高校生の長男だけでした。

アキ:それは良かった。私は8月に2回目を受ける予定です。
さてさて、ユウコさんは、サンタクルーズで何をしているのですか?

ユウコ:仕事ですか?日本からアメリカに来る留学生のお世話と、その留学生のご両親のフォローアップ。あとは、ホストファミリーを探したり、留学生のメンタルケアなど。日本のスーパーに連れて行ったりも。

アキ:留学生はどの程度の期間留学をするんですか?平均して?

ユウコ:いろいろ。ある私立の学校では1年間のプログラムで留学をさせていて、2018年には8人の留学生がいましたよ。

アキ:コロナ感染拡大の前ですね。

ユウコ:そうですね、コロナ前のことです。その留学生たちは全寮制のボーディングスクールでアメリカ人の子どもたちと同じように寮生活し、1人は公立高校に留学しました。

アキ:公立高校に行くのは結構大変なのでは?

ユウコ:そうね。公立高校の場合には「J-1」というビザが必要。私立高校の場合は「F-1」ビザで、公立高校の場合は交換留学のビザになるようです。

アキ:こういったビザは自分自身で取るのですか?それともユウコさんのいる会社が請け負うんですか?

ユウコ:それは、私たちの間に入る会社や私たちがやります。私たちは、ホストファミリーのバックグラウンドチェックをするなどいろいろなことをしています。そして公立高校は基本料金はかからないので、そちらの方が安く済みますね。また、ホームステイ先もボランティアになるんです。J-1ビザの場合はホストファミリーはお金を受け取ることができないんですよ。

アキ:それは、かなりホストファミリーにとって無理がないですか?

ユウコ:今ここでこのような留学生を受け入れているのはチャータースクールといって、保護者がボランティアをしたり生徒もコミュニティーでサービスしたり。

アキ:自分たちで作るような感じ?

ユウコ:そうそう、そんな感じ。ホストファミリーをする人は保護者としてのボランティアは1年間しなくてもいいですみたいな。そして次の年にホストファミリーはその経験などを次のホストファミリーのための説明会などで話したりするんです。

アキ:もともとサンタクルーズは留学生を受け入れるシステムがあるんですか?

ユウコ:うーん、そうでもないかな。でもUCSC(カリフォルニア大学サンタクルーズ校)にはかなりの日本人がいますよ。コミュニティカレッジもあるし。

アキ:コロナで今は留学生はいないんですか?

ユウコ:今はいませんね。あ、でも8月に又来るんです。2人ですけれどね。1人はもう2回ワクチンを受けたといっていました。もう一人はアメリカで受けるといっていますね。アメリカではすぐに誰でも受けられるので。行けばそのまま受けられます。ここではコロナの感染がワクチンと比例してかなり減りましたから。今は日本の方が大変なのでは?

アキ:大体高校何年生の時に来るんですか?

ユウコ:大体高校1年の夏ですね。アメリカは8月ですから。高校2年生になると日本は受験シーズンになるでしょ?だから、中3と高1で来る子が多いかな。

アキ:みんなの留学の目的は何なのですか?

ユウコ:英語を話すこと?あとはやはり受験に役に立つからというのも。あとは海外が大好きという子も。

アキ:今までで留学が大変そうだった子などはいましたか?

ユウコ:大変だったのは、部屋からなかなか出てこなくなってしまったり。受け身で誰かが話しかけてくれるのを待っている子は大変ですね。日本だったら誰かが声をかけてくれるんでしょうけれど、ここでは黙っていたらあまり気にしてくれないから。ホストファミリーが話しかけても、それに対して答えるけれど、それ以上には広がらないのでホストファミリーもうまくコミュニケーションが取れなくて。

アキ:日本の授業は受け身だから…。小学1年生のころからじっと机に向かって座っていることができた私たちってえらかったですよね 笑。

ユウコ:あとは、ディスカッションで苦労している子は多いですね。優等生の返答はできるんだけれど自分の意見を言うことが苦手ですね。1年では足りないのでは?と思うことも。1年だとやっと慣れてきたころに帰らないといけないから。

アキ:留学生の中で、ある意味での「成功例」とかありますか?

ユウコ:いっぱいありますよ。学校のイベントの司会を任された子もいました。外国人なのに。やっぱり自ら中にはいっていく子は英語が話せる話せないに関係なくうまく溶け込みますね。ある子は、ランチタイムでも輪の中に入ってひたすら英語を聞いていたりしたみたい。

アキ:1年で英語を話せるようになるまではいかないのかな?

ユウコ:いや、ある子は帰る頃にはペラペラになっていましたよ。イベントやスポーツ、ボランティアなどほとんどに参加して、恥かいてもいいんだって。それで積み上げていくというか。

アキ:まず、私たちは日本語をこれだけパーフェクトに話せるんだから、他の国の言葉は話せなくても当たり前なのではと思います。間違えても当たり前ですよね。

例えば、最初のうちなどに「帰りたい!」となってしまう子はいますか?

ユウコ:やっぱりありますよね。ここの私立高校はベジタリアンの学校でご飯が口に合わなくてなど。

アキ:えー!その学校はベジタリアンなんですか?最初から知っていてみんな来るんですか?

ユウコ:そうですね。でも大変そうですよ。あとは、ルームメイトが部屋を片さないで困っているなども。「部屋を片付けてといえない」と悩む子も結構います。共同責任になってしまうようです。

アキ:大学生くらいだとできるかもしれないけれど、高校生だとちょっとそこまでの主張が難しいのかな?その学校には、日本人が多くいるんですか?

ユウコ:中国人が多いですね。他にはブラジル人も。この高校には、Seventh-day Adventist Churchという教会の繋がりで来ている人が多いようです。あと、日本の人はグループでかたまることが多いですね。そうすると声がかけにくいみたいですよ。今まではそういうのは中国の人たちだったようですが、ここ数年で日本人の留学生が増えてきて集団でかたまっている光景をよく目にするようになりました。

アキ:高校生で留学するにあたりしておいた方がいい“心構え”などありますか?

ユウコ:いろいろな意味でフレキシブルであることかな。楽しそうにしていると周りも声をかけたくなるんだと思いますね。先ほど話した司会まで任された子はほとんど英語ができませんでした。でも部屋からなかなか出てこない子の中には英語がかなり話せる子もいました。英語が問題ではないのかもしれません。

アキ:そうですか。じゃあ自分自身の意識を持つというか、意見を持つということも大事なのでは?

ユウコ:そうですね。でもまずはエンジョイすることが大切なのではないかな。間違えても誰も何も言わないですよ。可愛いからちょっと笑ったりする子はいるかもしれないけれど。アメリカ人は馬鹿にしないですね。とにかく、せっかくの留学楽しんでほしいですね。

アキ:ユウコさん、今日はありがとうございました。留学することで大切なのは、まずトライしていくこと、その時間を楽しむこと、英語が話せるか話せないかではなく、自分の心の持ちようだということなのでしょうか。たしかに留学の時間は貴重な時間ですよね。みんなが世界に多くの友達を作って、どんどん世界とつながれるようになればいいですね。またお話を聞かせてください。

 

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