インタビュー:マロリー・シンプソン

今回は、アメリカのノースカロライナ州出身で、現在は日本に移住しているマロリー・シンプソンさんにインタビュー!マロリーは私、アキの英会話ワークショップに何度もお手伝いしに来てくれたのでご存じの人もいるかもしれませんね。上智大学に交換留学生として来日した時の経験や、幼少期にイギリスからアメリカに引っ越した時のことについてお話ししてくれました。英語を勉強している方や留学を考えている方が参考になることがたくさんあると思います。なお、今回のインタビュアーはアキ、編集は Sara が行っていますので、日本語のみです。

 


アキ:マロリー、今回はインタビューを引き受けてくれてありがとう!まずはあなたの幼少期のことについて聞いても良いかな?前にイギリスに住んでたって言ってたけど、それはどういう経緯で?

 

マロリー:私の両親がイギリス人で、私が生まれる前にアメリカに移住しました。だから私はアメリカで生まれたのだけど、5歳の時に家族でまたイギリスに引っ越して。それから9歳になるまではイギリスに住んでいました。それ以降はお父さんの仕事の都合でアメリカに戻ってずっと生活していました。

 

アキ:そうなのね!子供の時は、イギリスとアメリカの生活はどっちの方が好きだった?

 

マロリー:あんまり差はないけど、天候はアメリカの方が好きだったかな。食事はイギリス料理の方が好きだったかも!

 

アキ:へー!イギリスとアメリカで言語は同じだけど、やっぱり表現とかアクセントとかは違うよね?そういう場面で困ったことはある?

 

マロリー:うん。やっぱり9歳でアメリカに戻った時はまだイギリス英語だったから、学校でいじめがありました。

 

アキ:同じ言語なのにねえ。

 

マロリー:やっぱり小さいときはみんなよそ者をいじめたがるから…(苦笑い)

 

アキ:そっかー、子供の時のそれはどの国でも同じなんだね~。日本ではそういう雰囲気を感じたり、実際に経験したことはある?

 

マロリー:うーん、日本に来たのはもう大人になってからだからなあ。周りの人も大人で気を使ってくれるっていうのもあるし、あとは小さい頃から「自分は周りとは違う」っていう感覚に慣れてるから、日本でもショックは受けなかった。

 

 


アキ:日本の大学にはどうして来ようと思ったの?

 

マロリー:ずっとなんとなくだけど日本に興味があって。小さい頃からポケモンが凄く好きだったんだけど、その影響かなって思う。それから自分の通っていたノースカロライナ州立大学第二言語を選択しないといけなくて、そこで日本語を選択したら前よりさらに日本に興味が沸いたの。そうしたらたまたま大学の提携校に日本の上智大学があって、交換留学してみようと思いました。

 

アキ:日本に留学するのにコストはかかった?

 

マロリー:うーん、留学してた学期の分は上智大学の学費ではなくて、自分がもともと在籍してるアメリカの方の学校の学費を払えば良かったから、アメリカにいる時と変わらない感じ。ただ、寮代とか飛行機代とかはもちろんプラスでかかりました。

 

アキ:アメリカの大学から他の国へ留学する人は多いの?

 

マロリー:うん。ヨーロッパに行く人が多いかな?日本に行く人はあまり少ないかも。

 

アキ:留学に必要な条件って何だった?

 

マロリー:条件に見合った成績と、あとはエッセーを出しました。面接があった気もするな。あとは、日本の交換留学担当の先生と仲良くしてた(笑)

 

アキ:そういう人と仲良くなっておくのって大事だよね(笑)日本からアメリカ留学するにはTOEFLとか、英語力を証明するものが必要だけど、アメリカから日本に留学するときは日本語力を証明するものは何か必要だった?

 

マロリー:ううん、とにかく日本に興味があれば誰でもって感じだった。たぶん日本で海外留学のために英語テストが必要な理由は、英語はどこの国に行っても役立つ言語だからじゃないかな?例えば日本にいても、特に東京だったら基本的に英語が通じるし。日本語を話せなくても生きていけるから。

 

アキ:日本に最初に来た時の印象はどうだった?例えば日本の家は狭いとかってよく言われるけど、大学の寮に着いたときに思わなかった?

 

マロリー:いや、私がアメリカにいた時に住んでた寮の部屋も小さかったから、日本のアパートメントの大きさにはあまり驚かなかったかなあ(笑)実は、イギリスも日本と似ているところがいっぱいあるの。建物が密接していたり、道路が狭くて真っ直ぐな道が少ないところとか。自分が昔イギリスに住んでた時に見慣れてる景色と似ていたから驚きはなかった。日本に来れたことが嬉しくてとても興奮していたけどね!特に桜が綺麗だと思った。あとはご飯が全ておいしく感じた!

 

アキ:日本に来る前から日本食は好きだった?

 

マロリー:うん!でもアメリカの日本食は全然違う。アメリカのお寿司はネタに味がなくて、日本で初めて食べたときにちゃんとネタの味を感じておいしかったな。あと日本食はすごく健康的だと思う。薄味だし、定食とかで肉とお米と野菜とってちゃんとバランスよく食べる習慣があるから。アメリカの食事はどれも味が濃いし、メインディッシュだけで食べることが多いから野菜をあまり食べない。アメリカにいると野菜を食べることを忘れるの!(笑)

 

 


 

「言葉が通じない=違う人間」じゃない。

 

アキ:上智大学での勉強はどうだった?

 

マロリー:上智に交換留学した時は日本への旅行って思ってたからそんなに勉強は実はしてなくて(笑)もともと私の大学は交換留学の条件として「単位を落とさなければ良い」とされてたから、そんなにプレッシャーが無かったの。ただ、日本語の勉強はすごく頑張った。もともと日本語に興味があったから、上智で受けてた日本語の授業でも一番でいたくて。

 

アキ:じゃあ、その時のマロリーの日本語の先生から私の英語教室にボランティアに来ないか声かけられたときはどんな気持ちだった?

 

マロリー:もともと教師になりたいと思ってたし、日本の子供と関わる機会が欲しかったから「やったー!」って感じ。

 

アキ:そうなんだ、良かった!(笑)実際に日本の子供たちに会ってみて、どうだった?

 

マロリー:やっぱり日本人の性格は真面目って印象があるから、子供もみんな真面目なのかなって思ってたんだけど、実際に会ってみるとアメリカの子供達と全然変わらないなと思った。もちろん言葉の壁があるから最初はみんな私に驚いたり怖がったりしてたけど、一回私のことを「同じ人間なんだ」って理解すればみんな気が許せてそれぞれ個性が見えるようになったかな。特に自分の弟と同じくらいの男の子たちに会った時は、彼らと弟は一緒だなって思った。

 

アキ:日本人との友だち作りは難しかった?

 

マロリー:やっぱり見た目が日本人じゃないし、さっきも話したように「言葉が通じない=違う人間」って思ってる人が多いから、向こうから積極的に来てくれるような人じゃないと友だちになるのは難しかったと思う。でもアメリカ文化とか英語に興味がある人は自分から積極的に話しかけてくれたりして、私の場合は日本について結構すぐににそういう人と友達になれたかな。それで私がその子と日本語で話してるのを見た他の子が「この子日本語話せるんだ」って知って声かけてくれるようになったり。最初に日本に来た時も、移住した今も、日本人との友だち作りはだいたいそんな感じ。

 

アキ:アメリカの大学でも日本人留学生はいた?

 

マロリー:うん!大学に日本文化部っていうのがあって、そこに日本人が結構いた。

 

アキ:それって珍しくない?日本の文化を研究する部活って。

 

マロリー:私の大学は結構日本の学科があったり、それこそ提携校にいくつか日本の大学があったりして日本と繋がってたから。

 

アキ:日本人の留学生でアメリカの生活が大変そうな子はいた?

 

マロリー:そうだね、日本人同士でグループがあった子たちは仲間内で助け合ってたけど、一人で行動してる子は英語で苦労してる時もあった。私は日本文化部の部長だったから、よくそういう子を手伝ったりしてたよ。

 

アキ:そっか、マロリーみたいに優しい人が近くにいるとラッキーだね!私がハワイに住んでた時に出会った日本人は日本人同士で一緒にいる人が多くて、ハワイでも日本みたいな生活を送ってるように見えた。

 

マロリー:人って緊張すると相手と壁を作るからね。きっとその人たちも言語や環境の違いに緊張しちゃってたんだと思う。

 

アキ:最後に、あなたが受けたジェットプログラムについて教えてくれる?合格するのは大変だった?

 

マロリー:うん。自分が住んでたノースカロライナからワシントンD.C.まで行って面接受けなきゃ行けなかったから。

 

アキ:あら大変!ジェットプログラムについて知ったのはアメリカにいた時?

 

マロリー:そうそう、アメリカの大学で初めて聞いた。それがちょうど日本に交換留学する直前で。実際に日本で生活したり、日本でさらにジェットプログラムについて教えてもらってからもっとやりたい気持ちが強くなったんだよね。

 

アキ:そうなんだね!今日は色々とお話ししてくれてありがとう。日本からアメリカに留学したり英語を学ぶ人はとても多いから、マロリーみたいに逆のシチュエーションの話が聞けてとても興味深かったよ。結局は言葉の壁があってもみんな同じ人間だってことを忘れずにいたいね。またお話し聞かせてね!

 

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